2016年06月22日(水)開催。参加者18名。 (企画・鈴木順運営運営委員)
生誕130年を記念して名古屋市美術館で開催されている藤田嗣治展を見るJASSイベントに参加しました。
展示品を自由にマイペースで見ることができるようにと、本日は腹ごしらえが先になりました。白川公園の東、若宮八幡社の境内にできた「若宮の杜・迎賓館(中庭カフェ・結)」二階の個室でJASSメンバー18人が名古屋観光ホテル伝統のフレンチトーストランチ(日替わりメニュー)を頂きました。
このフレンチトーストは薄甘く柔らかくなった部分ばかりではなく、頃合いのトーストの堅さも残した絶妙のバランスで仕上げられ、野菜や各種のハムが見た目も美しく添えられていました。珈琲に添えるフレッシュをミルクにしてほしいと頼んだら、快く応じて程よい暖かさで持ってきてくれるなど、まさにホテルサービスそのもの。約1時間ばかり居心地の良い時間を過ごせました。こんな素敵なところならまた個人的に来てもいいなとの声がありました。
この後、すぐ西にある名古屋市美術館に移動し、二階のプレゼンテーションルームで学芸員から今回の特別展示「生誕130年記念 藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」の説明を受けました。
藤田嗣治の名は知っていても詳しくは知らないので、この解説は大変ありがたく思いました。団体で来たからこその貸し切りサービスです。親族縁者にずらりと著名人が並ぶ藤田の毛並の良さにまずは驚きました。そして藤田ならではの乳白色の肌の特徴などの説明を受けて展示品観覧時の参考とすることができました。
西洋の絵画の流儀と日本画の特徴をうまく融合させて独特の世界を開いた藤田の絵だから「東と西を結ぶ絵画」と名付けたのでしょうね。まだ国際交流が少なかった大正末期~昭和初期にフランスでは知らぬ者がいないといわれるほどの有名人だったなんてことは知りませんでしたね。
パリ・モンパルナスでの生活から始まってパリで時代の寵児になった後、世界恐慌、南北アメリカ訪問、日本への帰国、第二次大戦への協力制作、それに対する戦後の誹謗中傷、その結果としての日本国籍の放棄とフランスへの定住、とまさに波乱万丈の生涯ですね。
おかっぱ頭に太縁メガネの個性的な外見。乳白色の裸婦とくっきり目のネコが多い個性的な絵。伴侶も生涯で5人、芸の為なら女房も泣かしたのでしょうか(一部は逆に泣かされたようにも見える)。当時の日本人の枠を大きくはみ出した巨人ですね。キリスト教に帰依して最後は安寧の日々だったのでしょうか。今年で没後48年、 遠い昔にこんなすごい日本人がいたのだなあ。 (特別展示は7月3日まで。)
(文・写真 岸田匡弘会員)
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