2011年07月09日(土)14:00~16:00 開催。 参加者14名。
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講師:柏木隆雄氏
大手前大学副学長、
大阪大学名誉教授、
元放送大学大阪センター長
明治維新・文明開化、西欧の新風を受けて日本文学も花開きました。
フランス文学からも大きな影響を受けた日本文学について、詳しいお話をお聞かせ頂きました。
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小説『カルメン』で知られるプロスペル・メリメ(Prosper
Mérimée:1803~1877)、同時代のフランス・ロマン主義の詩人で小説家のヴィクトル=マリー・ユゴー(Victor-Marie
Hugo:1802~1885)は、代表作『レ・ミゼラブル』がよく知られています。実証的な自然科学の手法をそのまま文学に導入する「自然主義」を唱え、実践したフランス自然主義文学の創始者エミール・ゾラ(Émile
Zola:1840~1902)。『女の一生』などの長編と『脂肪の塊』などの短篇で、明治初期の日本の作家にも大きな影響を与えた、フランス自然主義の作家、劇作家、詩人であるギ・ド・モーパッサン(Guy
de Maupassant:1850~1893)、フランス文学の流れを分かり易くお話頂きました。
これら外国文学は、夏目漱石、泉鏡花…、芥川龍之介等、明治の日本文学に大きな影響を与えました。その影響を受けた内容を、メリメの『カルメン』と夏目漱石の『吾輩は猫である』とを対比等を通じて、お話頂きました。
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日本文学についても、造詣の深い先生は、夏目漱石、泉鏡花、芥川龍之介等、明治文豪の人となりや生涯についても、多くの逸話を挿みながら、詳しくお話戴きました。
東北大学附属図書館には「漱石旧蔵書」が残されており、その蔵書には漱石自身が考え書き込んだメモ書きが残されている。それらを通して漱石の思いや考えを探り、実証的の研究を進める等、研究法も教えて頂きました。
大変、興味深いお話が続き、ご紹介頂いた先生の著書『交差するまなざし―日本近代文学とフランス―』を読みたいと思い図書館に立ち寄って帰りました。
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(運営委員 村橋 陽三 記す) |
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