2011年11月22日(火)10:30~14:30 開催。 参加者24名。
「綱町三井倶楽部(旧三井別邸)」は、都内港区三田二丁目にあり、三井グループの各企業が加入メンバーなっている会員制倶楽部で、一般には非公開となっている施設です。
当イベントは、三井倶楽部のご好意で、JASS会員の皆様に同本館内部と庭園の見学ツアーにご案内し、併せて、当倶楽部の特別メニューのフランス料理会食を共にする機会をご提供する企画で、平成15年7月より今回まで8年余りの間、14回に亘り継続実施して参り、これまでに延べ約480名の皆様をご案内して参りました。
この建物は、大正2年(1913)12月に竣工した三井家の賓客接待所で、本館と洋式庭園は、イギリス人建築家ジョサイア・コンドルが設計した建物・庭園です。敷地は約1万坪を有し、南側の日本庭園の敷地(約6千坪)と、北側の本館・別館・洋式庭園の敷地(約4千坪)とから成っております。特に本館は、ヨーロッパの各種建築様式を取り入れ、建築資材・家具調度品は、それぞれ当時の最優秀品を国外から取り寄せ、館全体が宮殿造りの迎賓館ということができます。
また、館内には、絵画・彫刻・置物などの絶品・名品が各室内に飾られ、当時の欧米の名家の迎賓館に匹敵する品格・品質レベルを追求するように、贅を尽くした施設となっております。
終戦後は、一時期、米軍に接収されて米駐留軍の将校クラブとして利用され、当時、マッカーサー司令官も度々訪れ、各種会合やパーティーなどの開催に利用されていたようです。
設計者のジョサイア・コンドル(1852~1920)は、明治10年(1877)、25歳で日本政府の招聘に応じて来日、工部大学校造家学科(東京大学工学部建築学科の前身)教授・講師となり、日本の洋式建築界の指導者を多数指導・育成しました。来日後は終生日本国内に居住し、退官後も民間建築家として活躍、約40年間に80点余の建築作品を残しおり、主な代表作は旧東京帝室博物館(現・国立博物館前身)、鹿鳴館、ニコライ堂、上野旧岩崎邸洋館、高輪岩崎邸(現三菱開東閣)、島津公爵邸(現清泉女子大学)、旧古河邸、そして、綱町三井倶楽部本館などです。しかし、その後の関東大震災、東京大空襲などを経て、現存する彼の遺作は僅か12点に過ぎません。
当イベントを開始して以来、これまで多くのJASS会員の皆様にご参加頂き、各回ごとにお待ち頂く方々もおられましたが、今回を以って、一応ご希望の皆様にはお待ち頂くことの無い状態となったようですので、当イベントは、次回までの間、1年間ほどお休みさせて頂く予定ですが、今回のイベント実施で、ご参加の皆様のご見学のご様子、施設内外の様子、記念写真などをご紹介させて頂きますので、ご覧になって頂きたいと思います。
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