2017年06月14日(水)開催。参加者7名。 (企画・原田雅治運営委員)
名古屋市水道局の「水の歴史資料館」、「天満緑道・水の小径」、「鍋屋上野浄水場」を見学しました。
名古屋といえば名駅、名城そして名水。え? 聞いたことがないって? 名水は全国にあまたあるけれど、名古屋の名水つうのは名古屋の水道水の略称なんだってね。
くさい水道水は各地の大都市部では珍しくはないかもしれないけれど、名古屋市水道局は日本一おいしい水道水を目指して昔から研さんを重ねてきたとか。
歴史資料館や浄水場のホールでは真鍮の古めかしいカランを回すと冷やされた水道水が出てくる。くーっと飲むと、たしかにうみゃーで、これは。金鯱マークのアルミボトルに375mlを詰めて水道局が販売。「災害用備蓄飲料水」の銘あり。
名古屋市の水道供給開始から2014年で100周年。その記念事業として歴史を展示する資料館が名古屋市千種区にできた(新名所)。そこの職員の方から江戸初期から今に至るまでの名古屋の水道事業を多くの展示物と共に懇切丁寧に解説頂いた。
入り口近くには「飲水資源 名古屋の水の源流「木曽山脈」から流れる水を思う」と大きく書かれていて、水源確保のための植林にも配慮しているとか。周恩来が井戸の水を飲むときは井戸を掘った人のことを思う、といったのと同じか。源流への感謝の思いが伝わってくる。
資料館から北へ約1km行くと鍋屋上野浄水場がある。その手前に細く続く天満緑道・水の小径があり、木立も背が高く強い日差しを避けながら快適に歩く事が出来た。
名古屋市の水源は木曽川で、西部低地用の大治浄水場、東部丘陵地用の春日井浄水場が後にできたが、旧名古屋市への供給のために鍋屋上野浄水場が最初に造られたという。水質の良い木曽川の水を使うので、生物ろ過膜利用の緩速濾過池を使っているという特徴がある。
名古屋市の人口の膨張のためにこれだけでは追いつかず、後に化学的処理を行う急速濾過池方式も採用され、併用しているとか。この浄水場の一角には1世紀前としては手間と金をしっかりかけた旧第一ポンプ所の立派な建物(有形文化財)が残っている。浄水場は大都市の都心部に14万m2もの広大な敷地を持ち、その中で緩速濾過池が大きな面積を占めている。「うみゃーで名水」のもとがここにある。
(文と写真 岸田匡弘会員))
|